日本の女性研究者

ジェンダー

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林 葉子

 
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研究者氏名林 葉子
 
ハヤシ ヨウコ
所属大阪大学
部署文学研究科
職名招へい研究員
学位修士(政治学)(同志社大学), 博士(文学)(大阪大学)
その他の所属神戸女学院大学, 甲南女子大学, 同志社大学

プロフィール

 私はこれまで、買売春を目的とする人身売買や、それに付随する性暴力を最も重大な社会問題の一つだと考え、その社会状況を正確に把握して解決法を探るために、ジェンダー史研究や政治思想史研究の方法により、研究を進めてきました。
 学際領域としてのジェンダー論において取り扱われている研究テーマの中でも、買売春政策や性暴力問題は特に多角的な検討を要する課題です。それらに関わる現代の法や複雑な社会制度について理解するためには、それらの成り立ちについての歴史を踏まえることが必須です。
 私が自分の研究課題への取り組みを通じて目指してきたことは、社会的弱者を生み出す構造的暴力の実態を明らかにし、その暴力への対抗策を編み出すための知の基盤をつくることです。近代公娼制度という暴力装置や、その制度の下で痛めつけられてきた女性たちの実態と、その暴力的な状況に対抗しようとした人々の思想や行動を歴史的に検証することが、現在も続く同様の事態への対処法を考案する手がかりになればと考え、研究を続けています。

研究キーワード

 
ジェンダー , セクシュアリティ , 政治思想 , 買売春政策 , 性暴力 , 公娼制度 , 遊廓 , 衛生 , 性病 , 廃娼運動 , 自由廃業運動 , 売春防止法 , 婦人保護施設 , 女性福祉 , キリスト教 , 優生思想 , 矯風会 , 救世軍

研究分野

 
  • ジェンダー / ジェンダー / 
  • 政治学 / 政治学 / 
  • 哲学 / 思想史 / 
  • 史学 / 史学一般 / 
  • 社会学 / 社会福祉学 / 

経歴

 
2012年4月
 - 
現在
神戸女学院大学 非常勤講師
 
2016年4月
 - 
現在
大阪大学大学院 文学研究科 招へい研究員
 
2017年12月
 - 
現在
同志社大学 人文科学研究所 嘱託研究員(社外)
 
2018年4月
 - 
現在
甲南女子大学 非常勤講師
 
2017年9月
 - 
2018年3月
神戸市外国語大学 非常勤講師
 
2016年10月
 - 
2017年3月
大阪大学 男女協働推進センター 特任講師(常勤)(任期満了)
 
2014年4月
 - 
2017年3月
滋賀文教短期大学 非常勤講師
 
2013年4月
 - 
2016年3月
大阪大学大学院 文学研究科 助教(任期満了)
 
2009年4月
 - 
2014年3月
池坊短期大学 非常勤講師
 
2011年4月
 - 
2013年3月
大阪大学大学院 文学研究科 教務補佐員
 

学歴

 
2002年4月
 - 
2008年3月
大阪大学大学院 文学研究科文化形態論専攻 博士後期課程 修了 博士(文学)
 
2002年4月
 - 
2008年3月
Graduate School of Osaka University Literature Japanese Studies
 
1998年4月
 - 
2002年3月
同志社大学 法学研究科政治学専攻 博士後期課程 単位取得退学
 
1996年4月
 - 
1998年3月
同志社大学大学院 法学研究科 政治学専攻
 
1992年4月
 - 
1996年3月
同志社大学 法学部 政治学科
 

書籍等出版物

 
開く日本・閉じる日本-「人間移動学」事始め
林 葉子 (担当:共編者, 範囲:「はじめに」、第5章)
大阪大学文学研究科・発行   2017年12月   ISBN:9784908326035
本書は、〈人の移動〉に関連するテーマに取り組む日本研究者が、学際的共同研究の可能性を探る場として開催した「グローバル日本研究国際シンポジウム 開く日本・閉じる日本―「人間移動学」事始め」(2016年3月23-24日、主催:大阪大学文学研究科)の成果論文集として刊行するものである。
林 葉子
大阪大学出版会   2017年1月   ISBN:4872595602
日本における公娼制度とその存廃をめぐる議論の歴史を、徹底的な史料の裏付けのもとに再検討、学術的に、世界史的な視野から捉え直した。近代公娼制度が帝国の軍隊を維持するための性病対策であったことを重視し、それに関する「衛生」論が、階層を問わず、当時の人々に広く浸透していった経緯を明らかにした。廃娼運動が進められていく過程で形作られた家族観や、娼婦への人権侵害に関する議論の時代的変化についても詳述した。
林 葉子 (担当:共著, 範囲:第三章 生理衛生教科書に見る人体の表象―「人種」と性差の男女別教育)
柏書房   2015年7月   ISBN:4760146180
戦前の日本の中等教育において、人体についての知識がどのように教えられていたのかを、明治期以降、敗戦までに発行された88冊の生理衛生教科書を史料として検証したものである。男子用の教科書では「人種」の違いが、女子用の教科書では性差が、それぞれ強調される傾向にあったことを明らかにした。また、その「人種」や性差の優劣を測る指標自体が歴史的に変化し、本質主義的な人体観が定着していった過程を示した。戦争による帝国の拡大を時代的な背景として、人体をめぐる科学教育が政治的な意味を持っていたことを明らかにした。
林 葉子 (担当:共著, 範囲:第6章 『満洲日報』にみる〈踊る女〉 満洲国建国とモダンガール)
大阪大学出版会   2015年4月   ISBN:4872594320
本稿は、満洲で最も影響力の強い新聞であった『満洲日報』を史料として、満洲国建国前後の満洲に移動した「モダンガール」(〈踊る女〉)の表象の変遷について分析したものである。本稿のねらいは、満洲国が掲げた「五族協和」の理想と、満洲に移動した人々の暮らしの実態との乖離を、史実に即して具体的に示すことである。ダンスは、当時の満洲のハイブリッド性を象徴する文化であり、ダンス排撃運動が広まった経緯をたどることによって、日本人社会が排外性と「国粋」主義を強めていった過程を明らかにした。
林 葉子 (担当:共著, 範囲:「第14章 公娼廃止後の廃娼運動ー売春防止法制定過程における女性議員の役割ー」)
法律文化社   2015年1月   ISBN:4589036509
敗戦後、日本の歴史上初めて国会に登場した女性議員たちによって売春防止法が制定されるにいたった経緯を、『全日本婦人議員大会議事録』と国会議事録を主たる史料として検証した。売春防止法が制定された1956年は「婦人参政10周年」であったが、女性議員は国会の少数派であるため、売春防止法を成立させるために、重要な論点においても妥協を重ねることになった。本稿では、その経緯を明らかにし、売春防止法の意義と限界について、歴史的な観点から指摘した。
林 葉子 (担当:共著, 範囲:「第7章 家族って何だろう?―歴史をたどって見えてくること―」「第8章 人が人を助けるということー暴力による傷からの回復のためにー」「コラム5 買春する男たち/親に売られる娘たち―近代日本の公娼制度のもとで―」)
御茶の水書房   2015年2月   ISBN:4275020022
林 葉子 (担当:共著, 範囲:「8-11 近代公娼制度と廃娼運動」「8-12 「からゆきさん」と植民地公娼制度」「9-4 婦人矯風会とキリスト教」「10-7 売春防止法の成立と性売買の多様化」)
大月書店   2015年1月   ISBN:4272501828
「8-11 近代公娼制度と廃娼運動」
「8-12 「からゆきさん」と植民地公娼制度」
「9-4 婦人矯風会とキリスト教」
「10-7 売春防止法の成立と性売買の多様化」
林 葉子 (担当:共著, 範囲:「不妊の原因としての淋病―明治・大正期の庶民の生殖観の変化と買春の問題化―」)
思文閣出版   2014年1月   ISBN:4784217142
「不妊の原因としての淋病―明治・大正期の庶民の生殖観の変化と買春の問題化―」
はじめにー生殖力を脅かすものとしての淋病
1.新聞広告にみる不妊の表象
2.民間医学書における不妊のついての記述
おわりにー男性不妊と買春の問題化
林 葉子 (担当:共著, 範囲:「脆弱性を抱えて生きる」)
白澤社   2011年8月   ISBN:4768479405
市川 房枝, 縫田 曄子, 林 葉子, HKW, 大阪府男女共同参画推進財団
[大阪府男女共同参画推進財団]   2011年   
野上 弥生子, 縫田 曄子, 林 葉子, HKW, 大阪府男女共同参画推進財団
[大阪府男女共同参画推進財団]   2011年   
林 葉子 (担当:共著, 範囲:「見るー身体へのまなざしと権力」)
風行社   2010年12月   ISBN:4862580416
第5章 見るー身体へのまなざしと権力
はじめにー身体へのまなざし
Ⅰ 博物学・解剖学・衛生学
Ⅱ ジェンダー化された身体検査
Ⅲ 医科学と美醜の問題
おわりに
林 葉子 (担当:共著, 範囲:「文明化と〈男らしさ〉の再構築ー1910年代の『廓清』に見る性欲論」)
青弓社   2009年1月   ISBN:4787232932
第3章 文明化と〈男らしさ〉の再構築ー1910年代の『廓清』に見る性欲論
1 性欲を抑制する意志の力ー「男の男たる最大の所以」
2 「文明的人類」の条件
3 性欲抑制と「人種改良」
女たち/男たちの廃娼運動―日本における性の近代化とジェンダー
林 葉子
博士学位論文(大阪大学大学院文学研究科)   2008年3月   
序章 「底辺女性史」から、ジェンダー史へ
第一章 公娼制度と衛生思想
第二章 廃娼運動への女性の参加と周縁化
第三章 男たちの自由廃業運動
第四章 女性廃娼運動団体の確立
第五章 性別編成される廃娼運動
終章 廃娼運動―「衛生」と「人権」のはざま
林 葉子 (担当:共著, 範囲:「日清戦争前後の『家庭雑誌』―英雄伝を物語る母/膨脹する国家」)
ミネルヴァ書房   2004年1月   ISBN:4623038769
第24章 日清戦争前後の『家庭雑誌』ー英雄伝を物語る母/膨脹する国家
1 「家庭」論の時代
2 『家庭雑誌』の「家庭」論の特徴ー『女学雑誌』との比較
3 日清戦争と『家庭雑誌』 
林 葉子 (担当:分担執筆, 範囲:資料 思想史の森)
晃洋書房   2001年2月   ISBN:4771012334
山川菊栄記念会 (担当:共著)
インパクト出版会   2000年   ISBN:475540102X

論文

 
明治期の新聞広告にみる〈白い肌〉への憧憬と性病に対するまなざし
林 葉子
ジェンダー研究   (13)    2010年   [査読有り]
林葉子
ジェンダー史学   (5)    2009年   [査読有り]
女たち/男たちの廃娼運動—日本における性の近代化とジェンダー
林 葉子
大阪大学大学院文学研究科・博士学位論文      2008年
廃娼運動への女性の参加と周縁化—群馬の廃娼請願から全国廃娼同盟会設立期まで
林葉子
女性史学   (17) 1-17   2007年7月   [査読有り]
廃娼論と産児制限論の融合—安部磯雄の優生思想について
林葉子
女性学   (13) 94-110   2006年   [査読有り]
平塚らいてうにおける性と衛生の近代
林葉子
国際会議 "New Women/ Modern Girls and the Colonial Modernity in East Asia"報告集   1-32   2006年
「廃娼運動家」論・再考—久布白落実と『婦人と日本』—
林葉子
日本学報   (24) 63-84   2005年
林葉子
キリスト教社会問題研究   (50) 1-30   2001年12月   [査読有り]
山川菊栄研究にみるジェンダーバイアス
林葉子
女性学年報   (20) 88-102   1999年   [査読有り]
林葉子
同志社法学   (262) 143-201   1999年2月

Misc

 
単著執筆の支えになった研究助成(個人研究助成受託者から)
林 葉子
ジェンダー問題研究 20年のあゆみ 公益財団法人東海ジェンダー研究所設立20周年記念誌   23-23   2018年3月   [依頼有り]
【人と学問】インスパイアする学問 川村邦光先生のご退職によせて
林 葉子
イシバシ評論(文化/批評 cultures/critiques別冊)   293-296   2016年3月   [依頼有り]
林 葉子
日本歴史   (811) 110-112   2015年12月   [依頼有り]
イギリス救世軍機関紙にみる日本人女性の表象 ―1900年代の日本の自由廃業運動との関わりに着目して―(研究報告の記録)
林 葉子
女性とジェンダーの歴史(イギリス女性史研究会会誌)   (3) 45-46   2015年11月   [依頼有り]
林 葉子
女性とジェンダーの歴史 = Women and Gender in history : journal of the Japan Women's History Network   (2) 38-40   2014年11月   [依頼有り]
林 葉子, Hayashi Yoko, ハヤシ ヨウコ
日本学報   33 151-152   2014年3月   [依頼有り]
林 葉子, Hayashi Yoko, ハヤシ ヨウコ
大阪大学日本学報   (33) 79-82   2014年3月   [依頼有り]
林 葉子
女性史学 = The annals of women's history : 年報   (24) 86-88   2014年   [依頼有り]
林 葉子, Hayashi Yoko, ハヤシ ヨウコ
大阪大学日本学報   (32) 109-112   2013年3月   [依頼有り]

講演・口頭発表等

 
性管理政策としての公娼制度とその存廃をめぐる論争 [招待有り]
林 葉子
政治思想学会(シンポジウムIII 近代の統治権力とアイデンティティ・他者)   2018年5月27日   
林 葉子、木村周平
二頁だけの読書会 vol.10(主催:大阪大学経営企画オフィス URA部門、筑波大学人文社会国際比較研究機構、筑波大学URA研究戦略推進室)   2017年12月8日   
性を管理する帝国-近代日本の公娼制度と廃娼運動 [招待有り]
林 葉子
政治思想読書会(第279回)   2017年11月11日   
林 葉子
二頁だけの読書会 vol.9(主催:大阪大学経営企画オフィス URA部門)   2017年9月9日   
近代日本の遊廓のイメージと貧者に対する差別 [招待有り]
林 葉子
部落解放・人権研究所・第一研究・第1回 生政治とマイノリティ研究会   2017年6月25日   
買売春と性暴力の間―歴史から見えてくること [招待有り]
林 葉子
京都自由大学一般公開講座   2017年6月9日   
HAYASHI Yoko
Berkshire Conference 2017   2017年6月4日   
This presentation analyzed international emancipation movements for Japanese prostitutes that took place around 1900. In the late 19th century Japan, although movements against licensed prostitution had begun, there was a lack of concrete methods ...
林 葉子
グローバル日本研究国際シンポジウム「開く日本・閉じる日本 —「人間移動学」事始め—」   2016年3月23日   
「軍隊衛生」と廃娼運動―日露戦争後の兵営と遊廓の増設をめぐる抗争 [招待有り]
林 葉子
比較ジェンダー史研究会関西部会   2016年1月24日   
廃娼運動の日英米情報ネットワークの形成過程
林 葉子
ジェンダー史学会   2014年12月14日   
イギリス救世軍機関誌にみる日本人女性の表象ー1900年代日本の自由廃業運動との関わりに着目して
林 葉子
イギリス女性史研究会   2014年12月13日   
林 葉子
国際日本学研究会第八回学術大会   2014年8月2日   
戦後日本の買売春と「更生」の問題
林 葉子
同志社大学人文科学研究所第6研究例会   2014年3月28日   
The Influence of British Movement against Licensed Prostitution upon Japanese Society in the Meiji Era (1868-1912)
林 葉子
International Conference ‘Women’s Histories: : the Local and the Global’, International Federation for Research in Women's History & Women's History Network   2013年8月31日   
女性と政治 [招待有り]
林 葉子
『Women Pioneers―女性先駆者たち』DVD鑑賞&読書会(於:ドーンセンター(大阪府立男女共同参画・青少年センター)、主催:大阪府、企画運営:財団法人大阪府男女共同参画推進財団)   2012年3月16日   
女が政治に参加するということ――楠瀬喜多と市川房枝をめぐって [招待有り]
林 葉子
「131年目の女たちの祝賀会」(こうち男女共同参画センター・ソーレ、県民からの企画提案事業)   2011年9月25日   
林 葉子
国際日本学研究会第五回学術大会   2011年8月   
安部磯雄における男性性の問題
ジェンダー史学会   2008年   
日露戦争と女たちの自己イメージ-婦人矯風会の慰問袋運動とその影響 [招待有り]
林 葉子
女性史総合研究会例会   2007年7月14日   
国際会議 ”New Women/ Modern Girls and the Colonial Modernity in East Asia”   2006年   

担当経験のある科目

 
  • 日本学演習 (大阪大学)
  • 学際領域研究入門 (大阪大学)
  • 歴史学特殊講義 (神戸市外国語大学)
  • 女性学(理論編) (神戸女学院大学)
  • 女性学(実践編) (神戸女学院大学)
  • 女性史 (甲南女子大学)
  • 女性学・男性学 (京都文教大学)
  • ジェンダー論 (滋賀文教短期大学)
  • 人権と差別 (同志社大学)
  • しぐさの美学 (池坊短期大学)

競争的資金等の研究課題

 
国際的な人身売買禁止運動と近代日本の買売春政策
独立行政法人日本学術振興会: 科学研究費補助金、基盤C
研究期間: 2018年4月 - 2022年3月    代表者: 林 葉子
国際的廃娼運動がとらえた帝国日本の人身売買―東アジアにおける位置づけの検討
独立行政法人日本学術振興会: 科学研究費補助金・基盤C
研究期間: 2015年4月 - 2018年3月    代表者: 林 葉子
性の近代化ー日本における公娼制度下の性病問題と廃娼運動
大阪大学出版会: 大阪大学教員出版支援制度
研究期間: 2015年9月 - 2016年9月    代表者: 林 葉子
独立行政法人日本学術振興会: 科学研究費補助金「研究活動スタート支援」
研究期間: 2013年10月 - 2015年3月    代表者: 林 葉子
廃娼運動の日英関係史についての基礎的研究―イギリスのWCTUおよび救世軍の廃娼運動関連の史料調査を中心に
独立行政法人日本学術振興会: 組織的な若手研究者等海外派遣プログラム
研究期間: 2012年7月 - 2012年9月    代表者: 林 葉子

所属学協会

 
政治思想学会 , 日本女性学会 , ジェンダー史学会 , イギリス女性史研究会 , 歴史学研究会 , 「女性・戦争・人権」学会